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□□  01年8月19日

 昨夜は煎餅布団が寒くてなかなか寝付かれなかった。うとうとしていたらピーハイさんの目覚ましが鳴った。無言で起きあがってさっそく朝飯の仕度。朝はキツネウドン。これもなかなか美味しかった。御飯を食べてすぐ出発。

 2時30分出発。空はすっかり晴れて、こぼれるように銀河がきらめいている。こんなにすごい数の星を見るのは何年ぶりだろう。とても美しい。しかし、ぼくはまだ高山病の気配。息が続かない。10分歩いて一息いれるを繰り返している。

 3時18分(3220メートル)赤岩館 ぼくらの後ろから若い人たちがワイワイと登ってくる。振り返ると東京の灯りが東に見える。ぼくは歩きがどんどん苦しくなる。ピーハイさんにはぼくに構わず先に行ってもらう。ぼくにつきあっていると日の出に間に合わなくなるからだ。

東の空がどんどんオレンジ色に光り始める
ぼくは焦るのだが、なかなか上に登っていけない

 ヘッドランプの明かりだけを頼りに岩の道を一歩一歩進む。東の空がだんだん明るくなってきた。時計をみる。まだ4時だ。日の出は5時のはずだ。上を見上げる。まだまだ道は続いている。ピーハイさんがひとつ上の道から声をかけてくる。OKだ、ぼくは手を振る。

 いよいよ空が明るくなってくる。
『mIKEさーん、もうすぐだ、そこがピークだよ』
と声がかかる。ようし、行くぞ。気合いだけは入る。鳥居が見えた。もうすぐだ。東の空はどんどん明るくなっていく。鳥居をくぐった。もう少し。あと少し。

ジャスト5時。出た、頂上だ。すでに何人もの人たちが日の出を待っていた。

 そのとき、雲海の向こうから太陽が顔をだした。日の出だ。間に合った。オレンジ色の光があたりを照らす。だれともなく拍手。ようやくホッと一息。

ようやく頂上についたと思ったら、太陽が昇った
歓声と拍手
ぼくはとにかくホッと一息
朝日を浴びる
後にはホントの最高峰剣が峰が見える

 その後、富士山のホントの最高地点。富士測候所のある剣が峰まで登る。測候所のテラスからは那須連山、秩父山塊、八ヶ岳、浅間連山、後立山、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、恵那山。全部見えた。いつまでたっても見飽きない景色だ。いままで山のピークから、雲の上に顔をだしている富士山を見たことはあったが、こうして他の山々を見渡すというのは感慨深い。

奥の宮の鳥居 富士山測候所への急登 測候所のパラボラ 日本最高地点の標識の前で

測候所のベランダから眺める影富士 そして はるかな山々 右から八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、南アの向こうに後立山、南アと中央アルプスの間の遠くに北ア

6時41分。頂上をスタート。下山だ。日はすっかり昇り、日の当たるところはもう暑く感じる。ぼくはようやく高山病の症状が収まり、頭もすっきりした。もときた道を快調に飛ばす。

7時58分(3050メートル)日の出館。およそ3時間で登った道を1時間で下ってきた。これからはもっとスピードアップする。なんといっても下山のメインイベント大砂走りを駆け下るのだ。ピーハイさんはウェーデルンで下るといって、大張り切りである。ぼくは駆けないまでも、なんとか自分のペースで一定速度で降りることにする。

振り返ると富士の頂上が見えた 七合目日の出館

 日の出館を降りたところから下山道が分岐する。大砂走りである。大砂走りとは、富士の砂利が深く積もったところで、足首の上まで靴が埋まるような道である。急斜面であるためと、砂利がクッションになって、脚力のある人ならば平気で駆け下りることができる。ぼくも一歩一歩踏みしめながら下る。

大砂走りの砂場 足が埋もれる じつはこんな急斜面

8時45分(1940メートル)新五合五尺、実に約2時間で1800メートルくだった。

9時08分 大砂館着。約2時間半で下ったことになる。ふうう。ぼくはさっそく水を飲んだ。美味かった。連れていってくれたピーハイさんに感謝。

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