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□□  05年5月1日(日)

 さて、今日の晩餐は「天ぷら」である。事務局長の妙に気合のはいった眼差しである。天ぷら油も一升ある。聞けば、あまった油は焚き火の燃料と化すらしい。文字通り火に油を注いで晩餐を盛り上げようとする魂胆である。いち早く野生のヨモギ、菜の花を確保すべく姿をくらましたミッキー隊員。袋にいっぱいの収穫物を引っさげて悠々凱旋である。


天ぷら
ジュー、ジュクジュクの天ぷら

 山の端に陽が接しはじめたころ、おもむろに天ぷら鍋がコンロにかけられた。昨日買った山菜、スーパーで仕入れられた芋、大葉、ぼくのリクエストしたチクワなどが、ジュー、ジュクジュクとあぶくを出す。サクサクホカホカの天ぷらコロモ。美味い!おいしい。野外の天ぷらやめられない。食えや飲めや、夜は長いぞ、まだ明るい。山菜はほのかに苦い春の味。片手に焼酎。時々ビール。ジュージュクジュクの天ぷら、天ぷら。焼酎、焼酎、ビール、ビール。まだまだあるぞ天ぷらは。食べても食べても材料減らないです。ちょっと分量間違えた。そのうち胸下三寸膨満感。


焚き火
火に油を注ぐ


 油を注がれた焚き火がいっそう炎を高くする。ぼくはまたしても眠くて眠くてたってもいられなくなった。早々にテントにもぐりこむ。すぐに寝てしまった。夜中に雨の降る音を遠くに聞いた。

 ホントに良く寝られる。いままで睡眠不足を感じていたわけではない。しかし、昨夜は12時間寝た。砂混じりの河原に張られたテントの床は心地よく、シュラフの温もりが優しく。ぼくのカラダの中からピリピリとしたものが抜けていった感じがする。

 テントから這い出すと、年齢とともに起床時間が早くなる傾向にある長老、事務局長はイスに腰掛けコーヒータイム。さて、こんなにあまった材料をどうするかと昨夜の山菜を前に黙考するが、余った天ぷら粉もあることだし、いっそお好み焼きにでもしちまいましょうかということになった。

 朝からお好み焼きなどやっていると、時間などあっというまに過ぎていく。それでもノンビリと後片付けをしつつ、次第に晴れ上がっていく空を見る。きれいである。静かなところがなお良い。

ぼく
のんびりゆく
(事務局長撮影)

 船に乗り込む。パドルをすっと水に入れる。静かに船が前に出る。ふた掻き、み掻き。スッスッと進んであとは惰性で流れていく。岸の景色が変わっていく。船着場、崖、堤防、竹やぶ、家、鯉のぼり。音はしない。ただ流れる。また眠くなる。

 瀬が近づくと、ゴーッゴーッと水の音が大きくなる。緊張する。その先の流れがどうなっているのか。どういうコースを取ればいいのか。危ないところはないか。心臓が早鐘を打つ。ウーッ、たまらないこの感じ。アドレナリンが沸き出てくるこの感じ。

 さあ、瀬に突っ込む。カーブで水が盛り上がっている。そのまま波に寄せられないように、早めに船の舳先を先の目標にセットする。スキーでいえば、横滑りしながらトップをコントロールする感じ。波に負けないようにパドルをまわす。船は自分の意思のとおりに動く。快感。次はわざと波に突っ込む。ドンッという衝撃とともに波がぼくの上半身に覆いかぶさってくる。これまた面白い。那珂川の波はわがままを許してくれる。

 下り始めて約1時間。ゴールの新那珂川橋が見えてくる。岸に上陸して完了。今回の川旅もまた面白かった。

下る
時々波が強くなる
(ミッキー隊員撮影のビデオから)

 ぼくは、荷物と一緒に烏山まで送ってもらい、粗沈協会の面々と別れた。今夜は一人で野宿の予定。

 さて、その前に昼飯。川の駅の売店で盛りそばを注文。普通に美味かった。

 昼飯のあと、烏山やまびこの湯に向かう。町営温泉。ひとり400円。湯は弱アルカリの単純泉。循環式の沸かし湯みたいだが、ぼく好みのヌル湯。露天風呂につかっていると、爽やかな風が吹き抜ける。さっぱりしたところで河原に戻る。

夕暮れ
夕暮れを眺める

 今日は平日ということもあって、ぼく以外に野宿するものはいないようだ。砂地にテントを張り、テーブルを出し、暮れていく空を眺めた。お湯を沸かしご飯を温めた。スーパーで買ったサラダと唐揚げ。工夫のない食事だが、妙に美味かった。

 夜が来て、ランタンのガスが切れた。面倒くさいので、それを塩にテントに入り、またしてもすぐに寝てしまった。

ランタン
ランタン&ストーブ

 また朝が来た。コーヒーを入れて川を眺めながら、飲む。
 濡れた船体布を草むらに広げておいた。

 何人もの人たちに声をかけられた。

 もう下ったんですか?川はどうでしょうか?どこか危ないところはありますか?
 ぜんぜん問題ないですよ。ちょっと水は少ないけれど注意していけば大丈夫。鯉のぼりが見えたらその下あたり。流れが蛇行しています。お気をつけて。

 ぼくは岸辺でお見送り。

 すっかり陽が上り、暑くなってきた。撤収して再びやまびこの湯へ。ぶくぶくと泡の出る湯船につかり、さて出発。こんどは御前山の青少年旅行村だ。そこでキャンプ仲間と合流。今夜はここのロッジでお泊り。ぼくのリクエストのアサリをたくさん買ってきてくれていた。ビール、ホッピー。飲む。この夜はさすがに眠くはならず、およそ12時頃まで雑談。久しぶりに布団で寝た。

 朝。今日も晴天。アサリの味噌汁。納豆。キンキの焼いたの。美味い朝飯。満腹。

 久々のキャンプ。本当はもう少し河原にいたいと思った。しかし、また次。次も目いっぱい放電しよう。ぼくは車を運転しながら次の計画を考えているのでありました。

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