□□　　仙川を遡る

　午後になって日がさしてきた
　少し走ろうかと表に出た
　街の中を静かに流れる仙川
　その流れに沿って静かな小径がある

川沿いの小径

　桜の花はほとんど散ってしまい、若葉がいっせいに芽吹いてきている
　この小径を遡っていくとどこに出ていくのかなあ
　ぼくは時々川面をのぞき込みながら走る
　静かな住宅街にけたたましい猫の声
　おいおい、ケンカするならあっちいけ

　

猫のケンカ

　川沿いの道は迷路のよう
　線路をくぐりぬける
　川を乗り越す
　住宅街に入り込む
　クルクル、ウロウロ

地下道を抜ける

川を渡る　街の迷路

　

　道ばたに花が咲いている
　ほとんど人はいない
　時折、餌がもらえると思うのか、鳩がぼくの周りに舞い降りてくる
　鵜のような黒い大きな鳥が川の中をすばらしいスピードで潜り泳いでいる
　ぼくはぼんやりと眺める

タンポポ

　渡り鳥のモチーフ
　川辺の公園
　子供が二人走っていく
　ときおり風が吹き抜けていく
　風に乗って花びらが幾枚も空に吹き上げられていった

渡り鳥

　八重桜が満開
　まるで綿のよう
　近くに寄ると桜餅のような爽やかな匂いが漂う
　うーん、食べたくなった

八重桜

･･>仙川花盛り（２）に続く